astamuse Lab

astamuse Labとは、アスタミューゼのエンジニアとデザイナーのブログです。アスタミューゼの事業・サービスを支えている知識と舞台裏の今を発信しています。

デザインガイドラインについて考えよう

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こんにちは。デザイン部の橋本です。

企業やブランド、サービスのデザインを行う際「デザインルール」や「デザインレギュレーション」、「デザインシステム」といったデザインのガイドラインをつくることがあると思います。

弊社でも上記のようなデザインガイドラインを作成し、業務に役立てています。今回はそんなデザインガイドラインについて、他社事例を含めて、いろいろと調査してみました。

デザインガイドラインでよく整備されているもの

デザインガイドラインとは、色・文字・レイアウトなど様々なデザイン要素について、ルールを綿密に定義したドキュメントのことです。 ※今回は主に “Webページやアプリにおけるデザインガイドライン” について調査しています。

デザインガイドラインで整備するものはプロジェクトの規模で変わってきますが、割と整備されていることが多いものをまとめてみました。

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Brand - ブランド
まずはサービスのブランドイメージを決定します。デザインガイドライン全体を通して、統一感を持たせて、共通のメッセージを発信するのに必要な土台となります。
言語化したり、写真を使用したりしてブランドイメージを伝えます。
Typography - タイポグラフィ
タイポグラフィーをスタイルガイドによってどのように最適化するかは、サイト全体のクオリティーを左右する重要なポイントです。
まず見出しの種類( h1〜h6) についてや、本文テキスト、太字やイタリックなどについての設定を行います。続いて、リンクやリード文などに使えるような小さめのカスタムフォント、そして文字のフォントや太さ、色についての検討を行います。
Color - 色
色はブランドイメージと強く関連づけて利用されることが多いので、カラーパレットの選定は、ブランドの追求結果にもとづいて、慎重に行われます。
カラーパレットを作成する際はプライマリーカラー(サービスを特徴づける色)は必ず設定しますが、セカンダリーカラーは設定していない場合もあります。ブランドの主色をより効果的に見せるために、白、灰色、黒などの中間色を加えます。
Icon - アイコン
アイコンは文字よりもはるかに高い伝達能力を発揮します。ユーザーはアイコンを見るだけで、今何が行われているのか、また次に何が起きるのかを瞬時に把握することができます。
アイコンを決定する際はブランドバリューとアイコンの適合性について考慮する必要があります。
Form - フォーム
フォームはユーザーとサイトを結ぶインタラクティブ性の高いパーツです。
ユーザーはフォームを介してデータ入力をし、サイト側はそれに対する操作を行います。起動時やホバー時の表示、また、パスワードが弱すぎることやIDが無効なことを伝えるためのエラーや警告、「支払い完了」などの成功……このようなフィードバック要素について、あらかじめ決定しておきます。
Button - ボタン
ボタンはカラーパレットやフォーム、トンマナを合わせて構成されるツールです。
ボタンデザインには統一感を持たせ、ユーザーに一貫したサイト体験を提供できるように工夫します。
Margin - 余白
統一された正確な余白は、Webサイト全体にまとまりと洗練された印象を生み出すと言われています。
見出しやボタン、画像、フォームにおける余白など、あらゆる要素の余白について設定します。具体的には余白の設定ルール(5の倍数、8の倍数など)を決めて、適応していくパターンが多いです。
UI Element - エレメント
カードデザインや、テーブルデザイン、ページャーなどのUIコンポーネントを収録します。更新頻度が最も高く、収録数も多い要素です。
Logo - ロゴデザイン
ロゴデザインについては、詳細な運用ルールは別紙でまとめられており、デザインガイドラインでは一部のルール(カラー、余白スペース、最小サイズ)だけ触れられているケースが多い気がします。
Photo - 写真
ビジュアルのデザインは、サービスのイメージを左右する重要な要素です。Webサイトのキービジュアルやサムネイル、挿絵などで使用する画像など、主なビジュアル要素についてもガイドラインを設定します。
写真の選定は感覚的な側面も強いため、はっきりとしたルール作りは難しいのですが、OK例とNG例を示すことで目指すエリアを浮かび上がらせることができます。
Illustrations - イラスト
イラストも写真と同様にサービスのイメージを左右する重要な要素です。使用できるイラストの方向性をあらかじめ決めておくと、サービス全体に統一感を持たせることができます。

整備するものに特別な決まりはなく、なかにはデザインガイドラインを作っていないプロジェクトもあります。

デザインガイドラインのメリット/デメリット

デザインガイドラインのメリット

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メリット1. デザイン品質の担保

制作対象の規模が大きくなると、デザインを複数人で行うことがあります。 こうした時にデザインガイドラインがあれば、個別に作業していても統一感のあるデザインで制作することが可能です。 新しいデザイナーが着任した時には、立ち上がりの拠り所になります。

メリット2. ユーザビリティの担保

デザインガイドラインによって統一感のあるわかりやすいUIが実現できていれば、ユーザーの学習コストが下がり、操作性も向上します。

メリット3. 制作コスト削減

デザインガイドラインによって制作のテンプレートができていれば、新規に制作するページであってもそれらを組み合わせたり引用したりすることで、制作コストを削減することができます。

また、デザイナーだけでなくプロダクトオーナーやディレクター、エンジニアなどデザイン関係者にもガイドラインを浸透させることができれば(ガイドライン制作時から多くの人を巻き込むのが理想的です…!)、共通言語ができることでコミュニケーションロスを最小化でき、デザインのミスも見つけてもらいやすくなります。

デザインガイドラインのデメリット

デメリット1. アップデートが必要

サービスというのは成長していくものなので、サービスが成長すれば、デザインガイドラインもアップデートしていく必要があります。デザインガイドラインの品質を保つためには、デザイナーがある程度手間をかけて運用していかなければなりません。

デメリット2. 表現の幅が狭まる

デザインガイドラインは統一性を高めることでブランディングにも繋がるものですが、細かく決め過ぎると、表現や制作の自由度を奪ってしまい、新しいことやその時々にふさわしい表現や提案ができなくなってしまうこともあります。また、視覚的に変化の乏しい画一的なデザインになってしまい、ユーザーの興味の持続が難しくなる可能性があります。

デザインガイドラインの事例

Material Design Guidelines(Google)

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https://material.io/

マテリアルデザインは、Googleが提唱するデザインシステム。リアルな世界の「物体(マテリアル)」が奥行と厚みを持つように、Web上に表現されたデザインでも奥行と厚みを見せることによって、より操作性の高いインターフェイスを実現しようとするものです。

Human Interface Guidelines(Apple)

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https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/

Apple社が設けたデザインガイドライン。iPhoneをはじめとする様々なApple社デバイスで動作するアプリに対するルールが規定されています。1978年の初版から更新され続けている歴史あるデザインガイドラインです。

Spectrum(Adobe)

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https://spectrum.adobe.com/

Adobeのデザインシステム。制作ソフト寄りのアイコンが多くあり、見てみると面白いです。「International design」のページには、世界的にユーザーのいるAdobeだからこその配慮などが書かれています。

IBM Design Language(IBM)

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https://www.ibm.com/design/language/

タイポグラフィからモーションUIまでとても細かく表記されているデザインガイドライン。ギャラリーのページは、ムードボードのようになっており、見ているだけでIBMの世界観が伝わってきて、デザイナーが迷った時に、立ち戻って冷静になれるページだと思います。

Orbit(Kiwi.com)

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https://orbit.kiwi/

チェコを拠点とする航空予約サイトKiwi.comが開発したデザインシステム。UIコンポーネントの種類が豊富で、利用ルールも丁寧に定めているため、複雑な画面を設計する際のヒントになります。

さいごに

参考文献・資料

最後までお読みいただきありがとうございました。 アスタミューぜでは引き続き、一緒に働いてくれるデザイナー・エンジニアを大募集中です! 採用サイトもありますので、是非ご覧ください。

ペルソナ制定からはじまるUI/UXの土台づくり

こんにちは。2019年10月に入社しましたデザイナーのosatoです。
今回が初ブログです。

4月頃からコロナの影響でしばらく自宅でリモート勤務をしているのですが、
もともと引きこもり気質な上、この数ヶ月長く外出することが無かったので体力がミジンコ並に退化している気がします。

さて、同ブログにてGyopiさんから「ペルソナ制定についてはデザイナーが書いてくれるよ」との振りを受けたので、今回はペルソナ制定からはじまるUI/UXの土台づくりについてお話したいと思います。

これをテーマにしようと思ったのは「ペルソナを作るとなんか良いんだろうな」ということは広く知られているのですが、 ペルソナを作ったその後はどうなるの?という点はあまり知られていないと感じたからです。

ペルソナからサービスをどのように構築していくか、 私が担当しているサービスで実際に行った手順に沿ってご紹介します。

ペルソナってなに

まずはペルソナについて軽くご説明します。

ペルソナとは「サービス(商品)を利用する仮想のユーザー像」のことです。
氏名、性別、年齢、居住地、年齢、家族構成…など細かく人物像を設定し、その人物の生活パターンや思考を想像することでサービスの方向性や販売方法を決めていくヒントにします。

詳しいペルソナのつくり方はすでに色々なところで詳細されているので調べてみてくださいね。
(参考例:誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順 |MAmag.

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ペルソナを制定する最大のメリットは、
関係者間でイメージを共有でき、サービスの方向性が決まることにあります。

例えばサービスの新機能を作るときなどに、
ペルソナだったらどう感じるだろう?どんなシーンで必要とされるだろう?
と立ち返ることで方向性の照準を合わせることが出来ます。

このような理由から、UI/UXを考える時はまず最初にペルソナを立てるとスムーズです。

ワークショップを行いました

私が入社したあと担当することになったサービスで、実際にペルソナ制定からはじめるワークショップを行いました。

ワークショップを行った理由は大きく2点。
①サービスのコンセプトを明確にするため
②サービスのブランディングのため

①はどちらかというとビジネスサイドの目線で、なにを強みするか・どのように利用してもらうかをイメージするためです。
②は制作者サイドが、どんなサービスだと感じさせるか・どんな体験を提供したいかをデザインするためです。

実際に行ったワークショップの流れはこちらです。

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このワークショップでも最初の制作物は「ペルソナ」です。
サービスを理解する→ペルソナ制定
ペルソナがどのように行動するか?→エクスペリエンスマップ
ペルソナの思考や行動に対して私達が何ができるか?→機能とサービス思想
というように発展させていきます。

今回はサービスに関わる色々な職種のメンバー8人程で、合計4回のワークショップを行いました。
UX設計はデザイナーだけで行うことではなくサービスに関わる全員で行うことが理想とされています。
デザイナーはUX設計において「全員にUXに対する意識を持ってもらう」ための役割を担っています。

ワークショップが終わったあとは、成果物をスライドにまとめ改めてチームの全員に発表しました。
そこでまた感想や疑問点などぶつけてもらい、こちらも今後に活かしていきます。

土台がないと育たない

前述したワークショップで出来上がった成果物から、次はサービスのコンセプトとビジョンを制定しました。
必要な機能を洗い出し、重要な要素をグルーピング出来たことでサービスの方向性が見えてきたからです。

その次はブランディングのためのイメージボード、更にロゴデザイン、UIデザイン…と、どんどんデザインが発展していきました。

もちろんここでもペルソナを起点にしてヒントを得ています。
この世代・性別のペルソナが受け入れやすい色調や文字の大きさは…使っているデバイスは…シーンは…などですね。

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このようにペルソナからはじまったワークショップが基礎となりサービスの土台が作られていきました。
これらの土台をさらに発展させ、今後、機能の拡充や、新機能、マーケティングに取り掛かっていきます。

UI/UXの土台がしっかりしていないとサービスが大きくなればなるほど方向性のブレが大きくなってしまいます。
ペルソナ制定をし、土台をしっかり固めることでサービスがよりスムーズに大きく成長していけるようになります。


さいごに

ペルソナ及びUI/UXの土台は、一度作ったらそれで終わりではありません。
サービスの成長に合わせてその時々で見直すことが必要です。

それにせっかく作ったペルソナを忘れてしまっては意味が無いので、定期的に見直す機会をつくり、活かしていくことが大切です。

サービスがより良く発展し、ユーザーに満足してもらえるようにバランスを取っていきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

現在アスタミューゼでは、エンジニア・デザイナーを絶賛募集中です。
ちょっと話を聞いてみたいなどでももちろん大丈夫です!
少しでも興味を持っていただけた方はぜひ採用サイトからご連絡ください。

企業ロゴの「ロゴパネル」の作り方

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こんにちは。デザイン部の橋本です。

アスタミューゼでは事業規模が大きくなるにつれて、取材をしていただく機会やEXPOなどのイベントに出展する機会が増え、それに伴って広報活動も活発になってきたので企業ロゴのロゴパネルを作ることになりました。

ロゴパネルとは企業ロゴを大きくパネル化したもので、写真撮影の時に手に持って撮影するだけで、企業ロゴの認知度を上げることができるものです。

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完成したアスタミューゼのロゴパネル

使わない時はオブジェとして置いておくだけで、なんだかちゃんとした会社っぽい雰囲気を出してくれます!

しかもデータを作成・入稿するだけでお値段は一枚数千円からとコスパも良好。今回はそんなロゴパネルの作り方についてのお話しです。

ロゴパネルの作り方

1. 印刷業者を決める

まず、ロゴパネルをどこに発注するのか決めます。完成したパネルを思い浮かべて、要件を固めましょう。 パネルが折れないように厚みが欲しい、表面をマット加工にしたい、サイズはだいたいこれくらい…など、使用目的に合わせてなんとなくで大丈夫です。

アスタミューゼのロゴは横長なので、大きめのA1サイズで作成することに決定。(※他の企業さんを調べてみるとA2サイズで作成することが多いみたいでした。)

ある程度厚みが欲しかったのと、表面をマット加工にしたかったので、いくつか業者さんを比較して、今回はアクセアさんに発注することにしました。

アクセアさんの場合、厚さは5mmと7mmから選択できるので、7mmに決定。両面貼りも可能でしたが、片面貼りで問題ないので、片面貼りにするところまでこの時点で決めてしまいました。

2. Illustratorでデータを作る

ではデータを作成していきましょう。

ロゴの周りを囲むように、切り取り線(カットパス)を作ります。この線に沿ってパネルが切り出されるので、ロゴから適度な余白を取ることと、線がガタつかないように気をつけて作っていきます。

  1. Illustratorを起動してA1サイズ(841×594mm)のアートボードに、アスタミューゼのロゴデータを置く
  2. オブジェクト>パス>パスのオフセット で余白部分を作成
  3. パスファインダーで合体して パスの背景→白、パスの線→黒 にする
  4. オブジェクト>パス>単純化 で不要なアンカーポイントを削除

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1. アスタミューゼのロゴデータ(760×113mm)を置く

パスのオフセットは20mm〜40mmを目安に調整すると良いと思います。アスタミューゼはフォントが細めなので、それに合わせて余白も少なめの22mmにしました。

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2. オブジェクト>パス>パスのオフセット で余白部分を作成

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3. パスファインダーで合体して背景と線の色を変更

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4. パスの単純化でアンカーポイントを削減

単純化した後は多少パスがガタついたり、取り除ききれなかった不要なアンカーポイントが残っていたりすると思いますので、パスの調整を行います。このパスを綺麗にする作業くらいしか正直やることがないので、データ作成は本当にあっという間です。

パネルを発注する前に、出来上がったデータを等倍で印刷して、サンプルを作ってみます。

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等倍印刷したロゴ

切り取り線に沿ってハサミを入れて、セロハンテープでくっつけて……できました!

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ロゴパネルのサンプル

良い感じです。気になったところを微調整した後、いよいよデータ入稿です。

3. データを入稿する

ではデータを入稿していきましょう。

アクセアさんのWEB入稿を使うので、アクセアさんのアカウントがない場合は作成してください。 アカウントを作成したら、新規データ入稿よりデータを入稿していきます。

2020年3月現在、アクセアさんのデータ入稿の流れは5ステップです。

  1. 注文内容入力
  2. 配送先入力・支払方法選択
  3. ファイルアップロード
  4. 注文内容確認
  5. 注文完了

1.の注文内容入力では、入稿タイトルと印刷内容を聞かれます。 今回は入稿タイトルをアスタミューゼロゴパネルとし、印刷内容を下記のようにしました。

項目 印刷内容
仕様 切り抜きパネル
用紙 ポスター部分:フォト半光沢紙、パネル:発泡ポリスチレン(厚さ7mm)
加工 切り抜き加工あり
個数 1
サイズ A1(841×594mm)
その他ご要望 ラミネート(マット)加工のオプション付き

あとは配送先と支払い方法を指定し、データをアップロードして完了です。

そしてデータを入稿して数日後、ロゴパネルが社内に届きました。とってもスピーディーな対応で大満足です!

今回発注したロゴパネルの料金は9,460円(税込)でした。店舗に受け取りに行くとあと1000円ほどお安くなるみたいです。

ロゴパネルを作成するくらい事業規模拡大中のアスタミューゼでは、一緒に働いてくれる仲間を募集しています。 採用サイトもありますので、是非ご覧ください!

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